「海外安全ホームページ:中国の「反スパイ法」に関連する注意喚起」を解説
外務省の海外安全ホームページにて、7月26日に「中国の「反スパイ法」に関連する注意喚起」がスポット情報として公開されています。
【海外安全ホームページ】中国:中国の「反スパイ法」に関連する注意喚起
日本人の中国渡航を支援するジョイテルとしても、皆様に知っておいていただきたい内容であると考え、本記事にて紹介をいたします。
まずは本記事解説の前に、弊社ジョイテルの考え方について。
この中国における注意喚起について、弊社ジョイテルは「過度は心配は不要。しかしながら適切な対策が必要。」と認識しています。
不安を煽るような言説に惑わされ、適切な対策ができなくなってしまうことが問題であると考えます。
中国へ渡航する皆様は本記事を読んで適切な対策と現地における活動に注意をお願いします。
スパイ行為とみなされる可能性がある注意すべき行為の例
まずは外務省・海外安全ホームページから抜粋(原文通り)です。
本内容についてしっかりと確認をお願いします。
●中国政府の国家秘密、インテリジェンス等に該当するとされる情報(文書、データ、地図等を含む)の取得、保有、持ち出し、国外の組織への提供
●「軍事禁区」、「軍事管理区」と表示された場所への無許可の立ち入り、撮影等
●無許可の国土調査。GPSを用いた測量、温泉掘削等の地質調査、生態調査、考古学調査等に従事した地理情報の収集、取得、所有等
●無許可の統計調査、学術的なサンプル調査(アンケート用紙の配布等)
●軍事関係施設、国境管理施設、デモ等政治活動の撮影(スケッチも含む)等
●政治的とみなされる集会や行進、示威的な活動、ビラの配布
●非公認の宗教団体の活動、非公認の場所での宗教活動、無許可の宣教活動や集会等
これらの中でも一般的な旅行者や赴任者の皆様が注意をすべきなのは、政府や軍事関連施設及び人物の撮影、政府関連の人物との情報交換です。
旅行者の方でも何気なくやってしまいがちな例もあります。
例えば、上海市でも南京東路等では大型連休の際に軍隊が交通整理に駆り出されていることも多く見られますが、これらを日本人的に珍しいものであるとして撮影をする等はかなり危険な行為です。
日本であれば災害等で自衛隊の皆様が活動を行っている姿を写真に撮ってSNSにアップするという行為は何も問題はありませんが、中国ではそれは不可ということです。
中国SNS・微信(Wechat)の利用にも注意が必要です。
日本国内であればSNSのLINE上で政治に関する話題について言及したりすることもあるでしょう。
しかしながら中国ではこれらは絶対に不可です。グループチャット等においても少しでもこれらに関する話題が挙がると、現地中国人の方がこの話題はすぐに中止するべきと注意をしてくれることも多くあるようです。
また、中国ビジネスに精通してくると中国政府関係者との繋がりも生まれてきますが、このような方々との会話には特に注意が必要です。
一般的な情報交換のつもりが先方の関係者からすると重大な秘密にあたりこれを取得しようとしていると認識されることもあります。
統計調査等にも注意です。
日本では消費者へのアンケートを広く行う等の行為はごく一般的ですが、中国ではこれは注意すべきということでしょう。
もちろん中国でもマーケティング的なアンケートはよく行われますので、しっかりと中国において認可を持つコンサルティング会社や調査会社に依頼・相談をすべきということになります。
スマートフォンやパソコン等の電子機器に関する情報漏洩対策
同じく外務省資料において、以下のように記載がされています(原文通り)。
※携帯電話やパソコン等の通信機器は盗聴されている可能性があることを認識し、SNSや電子メールのやりとり等も同様な状況にあることを意識して利用してください。
過去の行為についても調査の対象となり得るので注意というのは確かにその通りです。
例えば万が一ですが、何らかの別件で拘束されて、自身のスマートフォンやパソコンを調べられた際に、過去に中国に対する批判的な言動がそこに残っていたとしたら?
それもかなり危険であると言うことができます。
スマートフォンやパソコンが盗聴されている可能性があるということについては、中国のアプリをインストールすればその可能性は大いにあります。
その目的はGoogle等と同じ、あなたの個人情報を収集して適切な広告を表示させようとしているからです。
(技術レベルで言えば、米国のGAFAが皆様のスマホやパソコンから個人情報を取得していることと同じとお考え下さい)
しかしながらその収集された個人情報がどのように活用されているのか?政府機関に流されているのか?等については分からないことになります。
これらを防ぐには、短期の渡航者であれば、ご自身のスマートフォンは中国には持ち込まないとするのが最適かもしれません。
長期滞在される方であれば、もちろん中国SNSの利用方法については注意をしていることでしょう。
アプリの設定についても見直しをしておくこともおススメです。
過度は心配は不要。しかしながら適切な対策が必要です。
本記事では、中国へ渡航する皆様が安心して活動していただけるように、少し厳しめに注意事項を挙げました。
繰り返しですが、適切な対策と上記のような注意すべき点を守ることにより、心配することはほとんど無くなります。
何の理由も無く拘束されてしまったり、単に滞在して現地の携帯電話電波を使うだけで自身のスマートフォンから情報漏洩してしまう等ということはありません。
中国に住む10万人に近い日本人も皆、当然にこれらのことに注意をして生活をしています。
(参考情報)スパイ行為の定義|摘発等の例
更に同情報においてスパイ行為の定義、スパイ事案摘発等の例も公表されています。
合わせてこちらもご確認をお願いします。
反スパイ法第4条において、スパイ行為とは以下の行為を指すと定められています。
●スパイ組織及びその代理人が実施する、若しくは他人に指示、資金援助して実施する、又は国内外の機構、組織、個人がそれと互いに結託して実施する、中華人民共和国の国家安全に危害を及ぼす活動。
●スパイ組織に参加する、若しくはスパイ組織及びその代理人の任務を引き受けること、又はスパイ組織及びその代理人に頼ること。
●スパイ組織及びその代理人以外のその他の国外の機構、組織、個人が実施する、若しくは他人に指示、資金援助して実施する、又は国内の機構、組織、個人がそれと互いに結託して実施する、国家秘密、インテリジェンス及びその他国家の安全と利益に関わる文書、データ、資料、物品の窃取、偵察、買収、不法提供、又は国家の職員を策動、誘惑、脅迫、買収し、裏切るようにさせる活動。
●スパイ組織及びその代理人が実施する、若しくは他人に指示、資金援助して実施する、又は国内外の機構、組織、個人がそれと互いに結託して実施する、国家機関、秘密に関わる機関若しくは重要情報インフラ等に対するサイバー攻撃、侵入、妨害、制御、破壊等の活動。
●敵に攻撃目標を指示すること。
●その他のスパイ活動を行うこと。
●外国人が、中国の国家秘密を違法に外国に提供した。
●外国人が、国家機密情報を含む大量の情報を収集した。
●出会い系アプリで知り合った女性からの依頼を受け、報酬を得るため、および女性の歓心を買うため、中国軍艦の停泊地や出港の様子を撮影した。
●軍用飛行場の施設、戦闘機の配置などを違法に何度も撮影し、ネット上で公開した。
●外国人が外国機関の指示を受け、自然保護区で多数の野生植物の標本や種子サンプルを違法に発掘・採取し、違法に海外に輸送した。
●観光を名目に中国の自然保護区に複数回入り込み、大量の昆虫サンプルを採取し、国外に持ち出していた。
●中国の国家級湿地保護区と森林等において、検査機器を多数設置し、地理、気象、生物などの機密データを違法に収集した。
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※本記事のイラストは「イラストAC」からダウンロードして利用させていただいています 。